それは、ある静かな夜のことでした。リビングでくつろいでいると、どうも遠くから微かに水の流れる音が聞こえてくるのです。排水口の交換した尼崎で漏水した水道修理を耳を澄ますと、どうやらトイレの方から。クンクンと便器の中を水がチョロチョロと流れ続けている音でした。「あれ、ちゃんと水止まってるはずなのに?」と思いつつも、その時はほんの小さな音だったし、「一時的なものだろう」と深く考えずにそのままにしてしまいました。 それから数週間、そのチョロチョロ音は相変わらず続いていました。たまに気になってトイレを覗き込むのですが、床が濡れているわけでもなく、便器の中に僅かに水が流れているだけ。見た目の被害がないだけに、「まあ、これくらいなら大したことないだろう」「忙しいし、また今度でいいか」と、ずるずると放置してしまったのです。今思えば、この油断が後々大きな痛手となるのでした。 そして、いつもの月より少し遅れて水道料金の請求書が届きました。封を開けて金額を見た瞬間、私は我が目を疑いました。これまでせいぜい数千円で収まっていた水道代が、なんと一万円をゆうに超えているではありませんか。前月と比較しても、明らかに跳ね上がっています。家族に聞いても、特に水を大量に使った覚えはないとのこと。いったい何が原因なのか? その時、ふと頭をよぎったのが、毎晩聞こえていたトイレのチョロチョロ音でした。まさか、あの小さな音がこれほどまでに影響するなんて。改めてトイレのタンクを開けてみると、素人目にも底のゴム部品が劣化して隙間ができているように見えました。ここから水が漏れて便器に流れ落ちていたのだろうと確信しました。たった一滴や二滴に見えても、それが一日中、一ヶ月中続けば、想像以上に膨大な量の水が無駄になっていたのです。まさに「チリも積もれば山となる」を、水道代という形でまざまざと見せつけられた瞬間でした。 慌てて水道修理の専門業者に連絡し、状況を説明すると、すぐに駆けつけてくれました。やはり原因はタンク内のゴムフロートの劣化でした。部品を交換してもらい、作業はあっという間に終わりました。修理後、当然ですがあの嫌なチョロチョロ音は完全に消えました。 そして次の月の水道料金の請求書が届き、金額は無事に元の水準に戻っていました。あの時、すぐに修理していれば、無駄に払わずに済んだお金があったのに、と後悔しました。たかが小さな音と侮って放置した結果、数千円もの余分な出費になってしまったのです。 この経験から学んだことは、トイレからの異音、特にチョロチョロという水漏れの音は、絶対に放置してはいけないということです。どんなに小さな音でも、それはトラブルのサインであり、放っておけば水道代に直結する「水道代泥棒」になりかねません。怪しいなと思ったら、まずは自分で確認してみて、難しそうなら迷わずプロに相談すること。早めの対処が、結局は余計な出費を防ぎ、安心して暮らすための最善策だと痛感しました。