アースは、感電防止や漏電対策だけでなく、ノイズ対策にも効果があります。特に、オーディオ機器やパソコンなどの精密機器は、ノイズの影響を受けやすいため、アース接続が重要となります。ここでは、アース増設によるノイズ対策の効果と、具体的な方法について解説します。オーディオ機器やパソコンなどの電子機器は、動作中に電磁波ノイズを発生させます。このノイズは、他の機器に影響を与えたり、音質や画質を劣化させたりする原因となります。アースを接続することで、これらのノイズを地面に逃がし、ノイズの影響を軽減することができます。例えば、オーディオ機器の場合、アースを接続することで、ハムノイズと呼ばれる「ブーン」という低い音や、ホワイトノイズと呼ばれる「サー」という音が軽減され、クリアな音質で音楽を楽しむことができます。パソコンの場合、アースを接続することで、誤作動やフリーズなどのトラブルを減らし、安定した動作を期待できます。また、外部からのノイズの影響も受けにくくなるため、データ通信の安定性も向上します。ノイズ対策としてアースを増設する場合は、通常の安全対策としてのアース増設と同様の方法で行うことができます。コンセントにアース端子がない場合は、アース端子付きのコンセントに交換するか、アース棒を地面に打ち込んでアース線を接続します。ただし、ノイズ対策を目的とする場合は、より高品質なアース工事を行うことが推奨されます。例えば、アース線の材質や太さにこだわる、アース棒の設置場所を工夫する、などの方法があります。