キッチンやパントリーは、シバンムシの幼虫にとって格好の餌場となりやすい場所です。一度発生させてしまうと、駆除や食品の廃棄に多大な手間とコストがかかってしまいます。そうならないためには、日頃からシバンムシの幼虫を寄せ付けない、適切な食品保存を習慣づけることが何よりも大切です。シバンムシの幼虫対策の基本は、「侵入させない」「餌を与えない」「繁殖させない」の三原則です。まず「侵入させない」ためには、食品のパッケージを過信しないことが重要です。シバンムシの成虫は、わずかな隙間からでも侵入できますし、紙やビニールの袋であれば、小さな穴を開けて産卵することもあります。そのため、小麦粉、パン粉、乾麺、お菓子、ペットフードなどの乾燥食品は、購入してきたらできるだけ早く、密閉性の高い容器に移し替えることを強くお勧めします。プラスチック製やガラス製の、蓋がしっかりと閉まるタイプの保存容器を選びましょう。ジッパー付きの保存袋も手軽ですが、完全な密閉とは言えない場合もあるため、長期保存には向きません。次に「餌を与えない」ためには、キッチン周りを清潔に保つことが不可欠です。調理中や食事中にこぼれた食品カスは、シバンムシの誘引源となります。床や棚、引き出しの中などをこまめに掃除し、食べこぼしを残さないようにしましょう。特に、粉製品を使った後は、周辺に粉が飛び散っていないか確認し、きれいに拭き取ることが大切です。そして「繁殖させない」ためには、食品を長期間放置しないことが重要です。シバンムシは、温度や湿度などの条件が揃えば、食品の中で世代交代を繰り返し、数を増やしていきます。賞味期限や消費期限を意識し、古いものから使う「先入れ先出し」を心がけましょう。長期間使う予定のない食品は、思い切って処分することも検討します。また、唐辛子やニンニク、ローリエなどを食品保存容器に一緒に入れておくと、虫除け効果があるとも言われています(科学的根拠は限定的ですが、試してみる価値はあるかもしれません)。これらの食品保存術は、シバンムシだけでなく、他の食品害虫の予防にも繋がります。少しの手間を習慣化することで、食品を安全に守り、不快な害虫との遭遇を防ぐことができるのです。
シバンムシ幼虫を寄せ付けない食品保存術